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炭素会計 基礎講座

算定例

Updated: 
December 6, 2024
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Overview

算定例

例を見ながら、理解を確認しましょう。

電気料金の請求書に、「天然ガスの使用量:10,000scf - 標準立方フィート」と記載されているとします。

先に述べたように、天然ガスを燃焼すると以下の3種類の温室効果ガスが排出されます。

  • 二酸化炭素
  • メタン
  • 亜酸化窒素

この例では、排出される3種類の温室効果ガスについて、以下の3つの排出係数が必要となります。

  • 53.06 kg CO2/mmBtu
  • 0.001 kg CH4/mmBtu
  • 0.0001 kg N2O/mmBtu

排出量を算定するには、天然ガスの量にそれぞれの排出係数を掛け合わせる必要があります。

でも、まず始めに......

活動データの単位はscf - 標準立方フィートですが、排出係数の単位はMMBtu - 百万英国熱量単位 (Btu)です。

Units_NOPROCESS_.png

ですから最初のステップは、活動データを排出係数と同じ単位に換算することです。それには、活動データに換算係数を掛け合わせる必要があります。

Activity Data Conversion Factor* Activity Data in mmBtu
10,000 SCF x 0.001026 mmBtu / SCF = 10.26 mmBtu
*The conversion factor is provided by the EPA

次に......

これで、活動データにそれぞれの排出係数を掛け合わせることができます。 mmBtuの単位は相殺され、温室効果ガス排出量のみが残ります。

Activity Data Emission Factor GHG Emissions
10.26 mmBtu x 53.06 kg CO2 / mmBtu = 544.400 kg CO2
10.26 mmBtu x 0.001 kg CH4 / mmBtu = 0.010 kg CH4
10.26 mmBtu x 0.0001 kg N2O / mmBtu = 0.001 kg N2O

これで、排出活動(天然ガスの燃焼)によって発生する各温室効果ガスの排出量がわかりました。 しかし残念ながら、単純に3つの数字を足しても総排出量を求めることはできません。 これらの温室効果ガスはそれぞれ、地球温暖化への影響度が異なるからです。

3つの排出量から正しい総排出量を求めるには、まずこれらを二酸化炭素換算値(CO2e)という共通の単位に換算する必要があります。 そのためには、各排出量に地球温暖化係数(GWP)を掛け合わせます。

GHG Emissions GWP CO2e
544.40 kg CO2 x 1 = 544.40 kg CO2e
0.01 kg CH4 x 25 = 0.25 kg CO2e
0.001 kg N2O x 298 = 0.298 kg CO2e
Because the GWP value of CO2 is 1, the amount is the same when it is converted to CO2e

これで、それぞれの排出量をCO2eという共通の単位で表すことができました。これらを合計すれば、当初の排出活動(10,000scf - 標準立方フィートの天然ガスの燃焼)の結果として発生した温室効果ガス排出量が求められます。

CO2e
544.400 kg CO2e
+ 0.250 kg CO2e
+ 0.298 kg CO2e
= 544.948 CO2e

まとめると......

算定過程を以下にまとめます。

この算定方法は例として示したものであり、四捨五入のため数値に誤差が生じる場合があります。

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