Overview
これまでの歩み
GHG排出量の算定はどのように行われているのでしょうか?
これまで算定は、スプレッドシートを使って手作業で行われてきました。 元になるデータは古いものも多いため、コンサルタントが手作業で収集、整理した上で、算定する必要があります。その結果、どうしても間違いが発生してしまいます。
こうした事情から、現在行われているGHG排出量の算定・報告は、多くが不正確であり、度重なる報告基準や算定方式の変更に対応が追いついていない状況です。 また、監査への対応も十分にできていません。
企業の多くは、正確な排出量算定を行う十分な時間も、リソースも、専門知識も持っていないのです。
国際的な取り組み
近年、いくつかの重要な国際会議が開かれ、 議論の末に、さまざまな重要な協定や条約が策定されてきました。こうして、GHG排出量の算定・報告や気候危機に取り組むための環境が整えられてきました。
国連気候変動枠組条約(UNFCCC) - 1992年
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の究極的な目標は、温室効果ガス濃度を「気候システムに危険な人為的影響を与えない水準」に安定化させることでした。
京都議定書 - 1997年
京都議定書は、UNFCCCの目標を具体化したもので、7種類の温室効果ガスを対象としています:
- 二酸化炭素(CO2)
- メタン ()
- 亜酸化窒素 ()
- ハイドロフルオロカーボン(HFC)
- パーフルオロカーボン(PFCs(有機フッ素化合物))
- 三フッ化窒素 ()
- 六フッ化硫黄 ()
UNFCCCは先進国に、温室効果ガス排出量の削減に向けた政策の採択を求めていました。これに対し、京都議定書は先進国に、具体的に行動すること、つまり、合意された個別目標に従って温室効果ガス排出量を抑制・削減することを義務づけました。
パリ協定 - 2015年
パリ協定は、気候変動に関する法的拘束力のある国際条約です。 地球の気温上昇を産業革命前と比べて1.5°C以内に抑えることを目指しています。 長期的な目標は、今世紀半ばまでに「気候ニュートラル」な世界を実現することです。
気候危機と闘うためにすべての国を結集させる、拘束力のある協定が初めて制定されたという点で、パリ協定は気候変動における画期的な合意です。
1.5°C 目標を達成するためには、世界は2030年までに温室効果ガス排出量を55%削減する必要があると推定されています。