Overview
PCAFとは?
PCAF(金融に関わる炭素会計のパートナーシップ)は、世界の金融機関が協力するパートナーシップです。金融機関の投融資に関連する温室効果ガス(GHG)排出量を評価・開示するための統一的手法の開発・実施に取り組んでいます。 金融機関の投融資に関連する排出を投融資先の排出と言います。
投融資先の排出(スコープ3)
投融資先の排出は、投融資の結果として間接的に発生する温室効果ガス排出です。 GHGプロトコルでは、投融資先の排出をスコープ3のカテゴリ15「投資」に分類しています。
例:
石油・ガス会社に出資している金融機関は、その会社の事業とそれに伴う排出を間接的に支援していることになります。
2022年8月現在、300を超える金融機関がPCAFのスタンダードに従って排出量を算定・開示すると公約しています。その資産総額は推定79兆ドルに上ります。
履歴
PCAFは2015年に、オランダの複数の金融機関によって創設されました。 その後、2018年に北アメリカに拡大し、2019年には世界全体に広がりました。
PCAFスタンダード
PCAFは「金融業界向けグローバルGHG会計・報告基準」、通称「PCAFスタンダード」を開発しました。 金融機関はこのPCAFスタンダードを使用することで、投融資によって生じる排出量を開示することができます。
PCAFスタンダードが登場するまで、金融機関が使用できる基準は、GHGプロトコルが定めるスコープ3のカテゴリ15に関する大まかなガイダンスだけでした。 PCAFはGHGプロトコルを基盤とし、これを補足するために開発されました。 なお、金融機関にとっては、投融資先の排出を扱うカテゴリ15以外、スコープ3のカテゴリはそれほど重要ではありません。
世界は今、パリ協定に従い、地球温暖化を1.5℃に食い止めようと努力を始めています。その第一歩となるのが、排出量の算定・開示です。
投融資先の排出(スコープ3)
金融機関の排出の大部分は、投融資先の排出です。 金融機関はPCAFのフレームワークに従うことで、世界のカーボンニュートラル達成に貢献することができます。
使命
PCAFの使命は、金融業界がパリ協定に沿って行動するよう促進することです。
投融資先の排出量の開示を推進することは、金融業界にとって必須のステップです。なぜなら、金融機関が投融資先の排出量を算定し、透明性をもって報告しなければ、金融機関自身も、そのステークホルダーも、投融資活動が気候に与える影響を把握することができないからです。
とは言うものの・・・・・・。
投融資先の排出量は算定が困難です。
報告機関は算定を行うために、他のさまざまな企業や組織からデータを収集する必要があります。しかし、そうした企業や組織の多くは、必ずしも自らの排出量をしっかり算定していません。