Overview
気候変動との闘い
では、どうやって気候変動と闘えばいいのでしょうか?
排出量の削減においては、国、企業、個人のいずれにも果たすべき役割があります。 さまざまな戦略やツールを活用することで、排出削減量や環境負荷を算定・管理することができます。
戦略
緩和
緩和とは、人間活動が環境や気候システム全体に与える影響を軽減するために、対策を講じることです。 そのための戦略のひとつが、温室効果ガスの排出削減です。例えば、企業は社用車を電気自動車に切り替え、その動力源に再生可能エネルギーを使用するようにすれば、温室効果ガスの排出量を削減できます。
適応
適応とは、気候変動の影響による環境の変化に備え、人間と自然のシステムを調整することです。
例えば、海面上昇に適応するために、住民を高台に移転させることなどが考えられます。
レジリエンス
レジリエンスとは、環境、経済、社会への悪影響を最小限に抑えつつ、脅威を予測して対応し、被害を受けた場合に回復できる能力を持つことです。
例えば、気候変動が建築物に及ぼす悪影響を予測し、予防策として建築資材を変更した国は、将来的な変化に対するレジリエンスを持つことができます。
科学的根拠に基づく目標
科学的根拠に基づく目標(SBT)は、気候変動による最悪の影響を防ぐために、企業がどれくらいのペースで温室効果ガスの排出量を削減する必要があるかを示したものです。 SBTはパリ協定と整合しており、気候に関する最新の科学に基づいています。
パリ協定は、世界の温室効果ガス排出量の削減を目指しています。 具体的には、今世紀の世界の気温上昇を産業革命前と比べて2度以内に抑えつつ、1.5度以内に抑えるための手段を追求するという目標を掲げています。
SBTを設定した企業は、説明責任を果たさなければなりません。同時に、気候変動に取り組みながら脱炭素化計画を推進する上で、競合他社に差をつけ、優位に立つことができます。
ネットゼロ
ネットゼロとは、大気中に排出される温室効果ガスの量と大気中から除去される温室効果ガスの量が釣り合っている状態を指します。 求められる期限内にすべての排出量をゼロにすることは、きわめて困難かつ複雑です。
以下の用語は、ネットゼロと同義で使われることが多いですが、排出削減目標の設定においては微妙な意味の違いがあります。