Overview
気候変動とは?
気候は変動していますが、その原因は一体何でしょうか?
気候変動の原因をひとつの活動に絞ることはできません。 工業化以降、私たちは化石燃料を燃焼し、使用することで、現代社会を作り上げてきました。 化石燃料は燃やされると、温室効果ガスを大気中に放出します。 この温室効果ガスが毛布のように地球を覆い、大気中に熱を閉じ込めるのです。
オーバービュー
定義
気候変動とは、大気中の温室効果ガスが増えることによって引き起こされる、気温や天候パターンの長期的な変化を意味します。気候変動は「厄介な問題(Wicked Problem)」と言われています。
科学的合意
気候変動は作り話や陰謀論ではなく、世界の専門家が認めている問題です。 世界中の権威ある組織が、人間の活動と気候変動を結びつける科学的証拠を示しています。
人間の活動
気候変動の主な要因は人間の活動です。 地球にはもともと、放出された温室効果ガスを循環させる自然のプロセスがあります。しかし人間の活動によって、自然ではあり得ない速度で大量の温室効果ガスが大気中に放出されるようになりました。こうして人間は、自然の循環プロセスを破壊してしまったのです。
温室効果ガスの最大の吸収源は植物と海洋ですが、その吸収力では、人間活動による排出量の増加に追いつくことはできません。
温室効果
1950年代以降、温室効果ガスの排出速度が、環境による吸収(隔離とも言う)速度を上回るようになりました。 こうしてバランスが崩れた結果、大気中の温室効果ガス濃度が著しく上昇しました。 大気中の温室効果ガス濃度が上昇した結果、地球表面の平均温度が上昇しました。
太陽が作り出したエネルギーは地球の表面から吸収され、再び熱として大気中に放出されます。 熱は大気中から宇宙空間に戻る途中、その大部分を温室効果ガスに吸収されます。 そして、温室効果ガスはこの熱を再び放射し、地球表面や別の温室効果ガス分子、あるいは宇宙空間へと戻します。
この現象を温室効果と言います。
過剰に排出された温室効果ガスは、地球をオーブンのように温めます。 排出量を削減するための抜本的な改革を行わなければ、「ティッピングポイント」を越え、取り返しのつかない被害を生むおそれがあります。
ティッピングポイント
気候変動におけるティッピングポイントとは、いくつもの小さな変化が積み重なった結果、深刻な長期的変化を起こしてしまう「転換点」を意味します。ティッピングポイントを越えてしまうと、元の健全な状態に戻すことはほとんど不可能です。
例:
シーソーの上を歩いているところを想像してください。真ん中を少しでも越えた瞬間、シーソーが動き、構造全体の傾きが変わります。 人間の活動は、気候変動というシーソーの傾きを今にも変えようとしているのです。
フィードバックループ
正のフィードバックループ
地球の表面温度が上昇すると、北極海の氷が溶けます。 海氷が減り、太陽光と地表からの熱を反射できなくなると、露出した海面が熱を吸収します。 これがさらなる温暖化を招き、さらに多くの海氷が溶け、それにより露出した海面がさらに熱を吸収する・・・・・・。
このような循環を「正のフィードバックループ」と言います。
正のフィードバックループとは、変化の影響を拡大させ、より不安定なシステムを作り出す過程または循環のことです。
北極圏の氷の減少が限界を越えると、地球環境システムに壊滅的な影響を及ぼす新たな段階に突入するおそれがあります。
負のフィードバックループ
反対に、「負のフィードバックループ」は変化の影響を軽減し、システム内のバランスを保つ効果を持ちます。
例:
地球の気温が上昇すると、雲量が増え、これが太陽放射の影響を軽減し、温暖化を抑制してくれます。